2012年10月23日火曜日

世界のヘビ神話


ヘビが苦手な方でも、ほんの少し、その「嫌い度」が低くなるかもしれない() そんな神秘的なお話を、今回は紹介します。キリスト教では悪魔とされるヘビでも、世界的にはその存在を聖なるモノとする神話が数多くあるのです。

 

まず古代エジプトの神話では、世界の初めにあった沼に4組のヘビとカエルの夫婦が住んでいて、彼らが太陽神ラーを生み出したとされます。不老不死のヘビ「アナンタ」が登場するのはインドの神話で、それは1000の頭を持ち無限を意味するそうです。古代マヤ文明の神話が語るのは、世界を創造した海ヘビの神グクマッツで、ケルト神話では、柳の木の下にあった紅色のヘビの卵から世界が誕生したと語られます。つまりこれらの神話の中で、ヘビは世界の創造に関わる大きな存在なのです。

 

また、脱皮を繰り返し成長するヘビは、古代の人々には永遠の象徴だったようです。老いて亡くなる事はなく生まれ変わる、あるいは別の命として再生すると信じられていたのです。ギリシャ神話に登場する医学の神アスクレピオスが持つ杖は、一匹のヘビが巻き付くデザインになっているそうですよ。また、細く長い姿から川を連想したのが古代の日本人で、ヤマタノオロチは氾濫する大河の象徴であり、日本の民俗学においてヘビは「水の神」なのです。

 

いにしえの時代、世界各地で誕生したヘビ神話。洋の東西や民族の違いはあれど、ヘビの姿や存在に深い神秘を感じたのは同じだったのでしょう。現在を語れば、見えない驚異ウィルスと戦う世界保健機関のマークに、アスクレピオスの杖が使われております。

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